協働プロセス設計・中間支援
― 協働が立ち上がり、持続するための構造をつくる ―
協働プロセス設計・中間支援とは
協働プロセス設計・中間支援とは、市民・行政・企業・NPO・外部人材など、立場や役割の異なる主体が協働するための「関係性と進め方」を設計し、伴走する取り組みです。
協働は、理念や熱意だけでは成立しません。
目的の整理、役割の設計、意思決定の方法、関わり方の余白など、協働が自然に立ち上がる構造が必要です。
本ページでは、樋口が実践してきた協働プロセス設計と中間支援の考え方を紹介します。
協働がうまくいかない理由
多くの地域や組織で、協働が停滞する背景には、以下のような構造的な課題があります。
- 目的やゴールが共有されていない
- 役割や責任が曖昧なまま進んでいる
- 行政と市民の立場の違いが調整されていない
- 関わり方が固定化し、新しい人が入りにくい
これらは「人の問題」ではなく、プロセスが設計されていないことによる問題です。
樋口の協働プロセス設計の特徴
樋口の協働プロセス設計は、「誰がやるか」よりも、「どのように関われるか」 を起点にします。
特徴1:関わりシロを先に設計する
役割を固定せず、小さな関与から始められる余白を意図的につくります。
これにより、協働の入口が広がります。
特徴2:段階的な協働プロセス
構想 → 試行 → 実装 → 振り返りを一気に進めず、関係性が育つスピードに合わせて進行します。
特徴3:対立を前提にしない設計
意見の違いを調整するのではなく、立場の違いを前提に役割を整理することで、無理のない合意形成を行います。
中間支援の役割
中間支援は、行政でも市民でもない「第三の立場」として、協働の橋渡しを行う役割です。
樋口は中間支援を、調整役やまとめ役ではなく、協働が自走するための環境整備と捉えています。
具体的には、
- 行政と市民の言語の翻訳
- プロジェクト設計の壁打ち
- 役割と責任の整理
- プロジェクト間の接続
- 関わりシロの可視化
などを担います。
実践フィールドでの適用
協働プロセス設計・中間支援は、以下のような場面で実践されています。
- 市民主体プロジェクトの立ち上げ
- 公共施設を活用した協働事業
- 地域イベント・マルシェの制度設計
- 行政施策と市民活動の接続
- 災害時の市民協力体制づくり
人物型・拠点型・滑川市モデルすべてにおいて、この考え方が基盤として活用されています。
教育・研修への展開
協働プロセス設計と中間支援の実践知は、講演・研修・フィールドワーク・協働プロジェクト実習など、教育プログラムとしても展開されています。
実際の事例をもとに、
- 協働が生まれる条件
- 失敗が起きる構造
- 中間支援の具体的な関わり方
を構造的に整理し、再現可能な学びとして提供しています。
協働プロセス設計が目指すもの
本取り組みの目的は、協働を「特別なプロジェクト」にしないことです。
- 関わりたい人が関われる
- 立場が違っても協働できる
- 協働が日常的に立ち上がる
そんな状態を、地域や組織の中に根付かせることを目指しています。
協働が続くのは、仕組みがあるから。
協働プロセス設計と中間支援は、その基盤をつくる実践です。