協働エコシステム実証

― 関わりシロから協働が生まれ続ける地域構造の検証 ―


協働エコシステム実証とは

協働エコシステム実証とは、市民・行政・企業・NPO・外部人材が、それぞれの立場で無理なく関わり続けられる「関わりシロ」を起点に、協働が自然に生まれ、持続・拡張していく条件を検証する取り組みです。

単発の成功事例を示すことではなく、協働が生まれる構造そのものを捉え、再現可能なモデルとして整理することを目的としています。


なぜ「実証」なのか

地域づくりや協働は、理念や制度だけでは機能しません。

  • 誰が関わるのか
  • どこで関わるのか
  • どの規模で循環するのか

といった条件によって、成立の仕方は大きく変わります。

本実証では、スケールと形態の異なる4つのモデルを段階的に検証することで、協働が成立・拡張する共通条件と差異を明らかにして参ります。


4つの実証モデルの全体像

本実証は、以下の4モデルで構成されています。

  • 人物型モデル:個人・チーム
  • 拠点型モデル:公共施設・拠点
  • 滑川市モデル:地域(自治体)
  • 富山県モデル:県域ネットワーク

個人 → 拠点 → 地域 → 県域
という段階的なスケールで、協働の拡張を検証しています。


協働エコシステム実証|人物型モデル

― 個人・チームが協働の起点となるモデル ―

実証期間:2014年~2021年の約7年間
人物型モデルは、一人の個人が協働エコシステムの起点になり得るのかを検証した最小単位のモデルです。

情報発信や社会貢献、挑戦の積み重ねによって相談と関係性が集積し、やがて小規模なチームや団体が形成されました。
このモデルでは、個人の行動が「関わりシロ」を生み、協働が始まる条件が明らかになりました。

人物型モデルの詳細を見る


協働エコシステム実証|拠点型モデル

― 個とチームの協働を、拠点が受け止め拡張するモデル ―

実証期間:2022年~2025年の約3年間
拠点型モデルは、人物型モデルで生まれた協働を、公共施設という「場」がどのように受け止め、拡張できるかを検証したモデルです。

中滑川複合施設メリカを拠点に、多様な挑戦が集まり、協働が可視化・集積される環境が生まれました。
拠点は「人を集める場所」ではなく、協働を束ねる装置になり得ることが示されました。

拠点型モデルの詳細を見る


協働エコシステム実証|滑川市モデル(実装準備中)

― 地域全体を協働の舞台にするモデル ―

実証期間:2025年~2029年の約3年間予定(2025年準備中)
滑川市モデルは、拠点型モデルで構築した協働エコシステムを、自治体全体へ波及させる実装モデルです。

プロジェクト群による分散型体制へ移行し、市民・行政・事業者・外部人材が役割を持って関わり続ける地域構造を検証しています。
ここでは、地域が協働を生み続ける単位になり得るかを探っています。

滑川市モデルの詳細を見る


協働エコシステム実証|富山県モデル(構想段階)

― 協働が県域で循環する構造の構想モデル ―

実証期間:滑川市モデルが実践知が溜まり次第並走予定
富山県モデルは、これまでの実証を統合し、県域全体で協働が循環する構造を描く構想モデルです。
滑川市モデルの実証結果を元に仮設を再構築する予定です。

複数の協働拠点をネットワーク化し、人と挑戦が地域間を巡る「冒険者ギルド」のような仕組みを構想しています。
協働を自治体の境界を越えて設計することで、持続可能な人材循環と協力基盤の形成を目指します。

富山県モデルの詳細を見る


実証の位置づけ

これら4つのモデルは、いずれか一つが完成形ではありません。

  • 人物型:協働の入口
  • 拠点型:協働の集積
  • 滑川市モデル:協働の実装
  • 富山県モデル:協働の循環

それぞれが役割を持ち、相互に補完し合うことで、協働エコシステム全体が成立します。


まとめ

協働エコシステム実証は、協働を「特別な成功事例」ではなく、構造として理解し、再現可能にするための取り組みです。

関わりシロをひらき、協働が生まれ、育ち、広がり続ける。

その条件を、個人から県域までのスケールで検証しています。

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