協働エコシステム実証実験
― 関わりシロから協働が生まれ続ける地域構造の検証 ―
本ページでは、樋口が実践してきた「協働エコシステム」を、
異なるスケールと形態で検証してきた4つの実証モデルについて概要を紹介します。
協働エコシステムとは、
市民・行政・企業・NPO・外部人材が、
それぞれの立場で無理なく関わり続けられる「関わりシロ」を設計し、
協働が自然に生まれ、育ち、循環していく地域構造です。
本実証実験では、
個人 → 拠点 → 地域 → 県域
という段階的なスケールで、協働が成立・拡張する条件を検証しています。
協働エコシステム実証実験|人物型モデル
個人が協働エコシステムの要となるモデル
人物型モデルは、一人の個人が協働エコシステムの起点となる可能性を検証した実証です。
本モデルでは、樋口自身を対象に実践を行ってきました。
キャラクターやYouTubeなどを通じた情報発信により認知と信頼を獲得し、社会貢献や人助けの実践を重ねることで、地域内外から相談が集まる状態を形成。
地域の相談窓口として縁が増え、自ら挑戦する姿勢が「協力できる余地=関わりシロ」を生み、協働者が増加しました。
その結果、個人として20万人を超える関係人口と大小の影響力を持つネットワークを形成。
「個」が協働エコシステムの核になり得ることを実証しました。
協働エコシステム実証実験|拠点型モデル
拠点が協働エコシステムの要となるモデル
拠点型モデルでは、公共施設を協働エコシステムの中核に据える実証を行いました。
舞台は、2022年11月に完成した中滑川複合施設メリカです。
樋口が代表を務める一般社団法人ばいにゃこ村が指定管理者として採択されました。
来館者数1万人という当初KPIを大きく超え、マルシェ、子育て支援、起業支援、農業支援、情報発信、学生支援、ショートドラマ等、多様な挑戦を積み重ねることで、年間20万人が集まる拠点へと成長しました。
また、能登半島地震では、メリカを後方支援拠点として延べ500人の市民が集結し、3万食を超える炊き出し支援につながるなど、非常時においても機能する協働拠点モデルとして成果を上げています。
協働エコシステム実証実験|地域型モデル
地域全体が協働エコシステムの舞台となるモデル
地域型モデルは、拠点型で構築した協働エコシステムを地域全体へ波及させる実証実験です。
富山県滑川市を舞台に、2025年12月より開始予定です。
中滑川複合施設メリカを拠点に生まれた50を超える事業を、以下の5つのプロジェクト群に再編成します。
- 公共施設・地域拠点運営プロジェクト群
- 地域イベント・交流創出プロジェクト群
- 地域発信・関係人口創出プロジェクト群
- 子ども地域福祉・学びの場プロジェクト群
- 環境・防災プロジェクト群
各プロジェクト群にリーダーを配置し、中央集権型からプロジェクト単位で動く分散型体制へ移行。
樋口は2026年4月に一般社団法人ばいにゃこ村代表を退任し、並走型ディレクターとして横断的に支援する立場へ移行します。
外部人材やインターンシップを積極的に受け入れ、地域のロールやミッションを通じて関与を深めることで、「第二の市民」を育てることを目指しています。
協働エコシステム実証実験|県内型モデル(構想段階)
富山県全域を協働エコシステムの舞台とするモデル
県内型モデルは、地域型モデルの成果を踏まえ、富山県全域へ協働エコシステムを展開する構想モデルです。
県内各地に協働拠点を整備し、「冒険者ギルド」のように人と挑戦が交差する仕組みを構築。
県民主導のプロジェクトが県内各地で生まれ、つながる状態を目指します。
本モデルでは、空港・鉄道・バスなどの交通網との接続も含め、広域での関わりシロ創出を検討しています。
※本モデルは、地域型モデルの検証結果をもとに段階的に設計されます。
実証実験の位置づけ
これらの実証実験は、特定の成功事例を示すことを目的としたものではありません。
協働が生まれ、持続し、拡張していく条件を構造として捉え、再現可能なモデルへと整理することを目的としています。
本ページでは概要を示し、各モデルの詳細は個別ページにて紹介します。
▶ 各モデルの詳細はこちら
- 人物型モデル
- 拠点型モデル
- 地域型モデル
- 県内型モデル(構想)