協働エコシステム実証|拠点型モデル

― 個とチームの協働を、拠点が受け止め拡張する ―


拠点型モデルとは

拠点型モデルは、人物型モデルで生まれた個人・チーム起点の協働を、物理的な拠点がどのように受け止め、拡張できるかを検証する実証です。

人物型モデルでは、一人の個人から始まった関わりが、チーム化することで協働を拡張できることが示されました。

拠点型モデルでは、その協働を「場」に接続したとき、どのような変化が起きるのかに焦点を当てています。


実証の舞台:中滑川複合施設メリカ

本実証の舞台は、2022年11月に完成した中滑川複合施設メリカです。
樋口が代表を務める一般社団法人ばいにゃこ村が指定管理者として採択され、公共施設を協働エコシステムの中核拠点として再設計しました。


拠点型モデルの前提:拠点は「人を集める場所」ではない

拠点型モデルにおいて、施設は単なる利用空間ではありません。
拠点とは、

  • 人と人が出会う
  • 挑戦が可視化される
  • 関わりシロが蓄積される

協働を束ねる装置です。
人物型モデルで形成された個人やチームの活動を、拠点が「受け止める受け皿」となることで、協働は次の段階へ進みます。


実践の方針:挑戦を集め、関わりシロを増やす

メリカでは、あらかじめ完成された事業を並べるのではなく、挑戦が次々に立ち上がる状態を意図的につくりました。

  • マルシェ・イベント
  • 子育て支援
  • 起業・創業支援
  • 農業支援・商品開発
  • 情報発信
  • 学生支援
  • ショートドラマ制作

これらは個別事業ではなく、関わりシロを生むための実践群です。
人物型モデルで培われた「手伝える余地」「応援できる余地」が、拠点に集約されていきました。


チームの集積と協働の可視化

拠点が生まれたことで、

  • 人物型モデルで関わっていた人たち
  • 新たに興味を持った市民
  • 行政・事業者・外部人材

が、同じ場所で交差する状態が生まれました。

これにより、

  • チーム同士がつながる
  • 協働が見える形で共有される
  • 新たな挑戦が生まれやすくなる

という循環が加速しました。

拠点は、個人やチームの活動を「点」から「面」へ広げる役割を果たしました。


実証結果:来館者数と協働の集積

こうした運営の結果、メリカは当初KPIであった年間来館者数1万人を大きく超え、年間20万人が集まる拠点へと成長しました。
重要なのは数値そのものではなく、

  • 多様な主体が自然に集まる状態が生まれたこと
  • 行政と市民をつなぐ中間拠点として機能したこと
  • 富山県全域から地域プレイヤーが集まったこと

です。

「富山県ではじめてイベントをするならメリカ」
「まちづくりの相談ならばいにゃこ村」
と呼ばれる状態が形成されました。


非常時における拠点の機能

拠点型モデルは、非常時にも協働エコシステムが機能するかを検証する機会にもなりました。

能登半島地震では、メリカを後方支援拠点として、

  • 延べ500人以上の市民が参加
  • 県内外から支援物資が集約
  • 3万食を超える炊き出し支援

につながりました。
これは、人物型モデルと拠点型モデルで培われた信頼・関係性・チームの蓄積があったからこそ可能でした。


拠点型モデルから得られた示唆

本実証から、以下の示唆が得られています。

  • 拠点は協働を「管理」する場所ではない
  • 個人やチームの挑戦を受け止めることで協働が拡張する
  • 関わりシロが拠点に集まると、協働が加速する
  • 平時の拠点運営は、非常時の協力基盤になる

これらは、次の 滑川市モデル(地域型) へ展開するための重要な知見です。


他モデルとの関係性

拠点型モデルは、協働エコシステム実証における 中間スケールのモデルです。

  • 人物型モデル:個人・チーム
  • 拠点型モデル:公共施設・拠点
  • 滑川市モデル:地域全体
  • 富山県モデル:県域

人物型で生まれた協働を、拠点が束ね、地域へと広げる役割を担っています。


まとめ

拠点型モデルは、協働の起点が個人やチームにあっても、拠点がそれを受け止め、拡張する装置になり得ることを示しました。
個人からチームへ、チームから拠点へ、協働が重なり合い、循環する。
それが、拠点型モデルの核心です。


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